「トレーニングを効率的に結果に結びつける為に行うべきことは、まずは目的地と現在地の確認を」No.6

こんにちは。アスレティックトレーナーの岡野です。

今回は、トレーニングに対しての考え方を話していきたいと思います。

ここ近年、SNSやインターネットで情報が簡単に手に入れられる時代となりました。トップアスリートやトレーナーの方がSNS上でトレーニングを動画で紹介されていることも多く、一般の方でもたくさんのトレーニング方法を学べる機会が多くなったと思います。

しかし、トレーニングが良い方法(何に対して良い方法かはおいといて…)だったとしても、あなたが同じ方法でトレーニングをして望んだ結果を残すことができるかというとそれがイコールとは限りません。

全てのトレーニングに共通するのは「身体になにかしらの刺激を与える」ことになります。身体に刺激を与えることによって身体が適応し、身体の形態(筋肉量や体脂肪率など)や機能(筋力や可動域、運動制御など)を変化させていくことができます。

ただし、目的によって与えるべき刺激というものは変わってきますし、あなたの身体の状態によっても与えるべき刺激というものは変わってくるので、トレーニングを実施する上で望んだ変化を促す為には、目的を達成する為に今の状態ではどういった刺激が適切なのかを考えることがとても大切なことになります。

要するに、トレーニングで狙った効果を出す為には、「目的」と「現状」に対してトレーニング(手段)を繋げる必要があるということです。

そこで今回は「目的」と「現状」だけではなく、トレーニングで効率的に結果を残す為に「始める前に確認しておきたいこと」を話していきたいと思います。

トレーニングを始める前に確認したいこと

私は、トレーニングを行う前にクライアントさんに(時には監督、コーチ、保護者などにも)確認したいことがあるので問診や身体を評価する時間を多めにとります。最初から全て把握できることできませんが、なるべく質の高いトレーニングプログラムの作成や指導ができるように以下の6つにわけて情報を整理しています。

①トレーニングをする目的

②目的に対する課題

③課題解決の為に必要な要素

④目標設定(現在地の確認)

⑤パーソナリティや環境

⑥時期、目的までの時間

もちろん、指導できる時間や環境によっても聞ける範囲は限られてしまうので、相手と話しながらその時々で優先順位を決めてコミュニケーションをとるように心がけています。

①トレーニングをする目的

トレーニングを行う上で一番大切なことは、トレーニングを行う「目的」をしっかりと認識することです。

「目的」は最終的な到達点なので、ここの確認は大切です。

当たり前ですが、パフォーマンス向上の為にアスリートが行うトレーニングと、健康維持の為にご高齢の方が行うトレーニングでは目的が異なるのでトレーニングも変わってきます。

トレーニングはあくまで「手段」なので、しっかりとその人の「目的」を確認することは大切です。

ただし、ここで注意が必要なのが「筋力をつけたい」、「身体の使い方をうまくしたい」、「痩せたい」というのが最終的な目的にならないようにすることです。

筋力をつけて何ができるようになりたいのか?

身体の使い方を改善することによってどうしたいのか?

痩せることで何をしたいのか?

というようにトレーニングをすることによって最終的に「何を実現したいのか」、「何ができるようになりたいのか」をしっかりと考えることが大切だと思っています。

特にアスリートの方は「試合で勝つ為に」「試合でベストパフォーマンスを出す為に」トレーニングをすると思うので、そこからなぜトレーニングが必要なのか?ということを分析することが大切と思います。

②目的に対する課題

目的が確認できたらならば、どうしたらその目的を達成できる確率が上がるのかを分析する必要があります。

例えば、「全日本選手権を優勝する」というのが目的にあったとして、どんな戦略・戦術やプレーができるようになれば良いか(現在の課題)を考える必要があります。

例えば、チーム競技として考えるならば、

目的達成のためには、攻撃力を向上させる必要がある→1試合で◯点以上取れるように→この戦略、戦術ができるように→その為にそのポジションに求められる役割、能力

といった感じで考えることができます。

対人競技なのか、記録競技なのかでも考えるべきことはたくさんありますが、どの競技でも勝つためにはどうしたらよいの?を突き詰めていくと課題といったものが見えてくるのかなと思います。

また、もっと具体的なプレーや数字などの客観的なデータを指標にできればより課題が明確になると思います。

③課題解決の為に必要な要素

目的を決め、その目的が達成できる為に必要な課題が抽出されたら、その課題を解決できる為に必要な要素を整理します。

例えば、「フットワークを速くしたい」ならば、どういった要素(筋力や可動域など)が必要なのかを1つ1つ考えることが大切です。

画像では「筋力」「可動域」といったようにざっくりと要素を分けていますが、身体のどの部位の筋力が必要なのか、どういった動作のときにどういった筋力が必要なのかというようにもっと細かく要素は考えることができます。

ただ、ここで注意が必要なのがパフォーマンスというのは、1つの要素だけで成り立って入りのではなく、多数の要因が複雑に絡み合い、影響し合ってひとつのシステムとして構築されるものなので、この筋力が向上すればこの能力が向上するといった単純なものではありません。

身体が良い状態でも、環境が変わったりその時の精神的な要因でも動作というものは変わってくるので、試合で良いパフォーマンスを発揮する為にはたくさんの要素が必要となり、それぞれの要素がうまくハマることが大切で、しかもこれに「運」もついてくるということも頭にいれておくことが必要かなと思います。

④目標設定(現在地の確認)

今成し遂げたい目的、目的を達成する為に必要な課題や課題解決する為に必要な要素が固まってきたら、具体的な目標設定が必要です。

この目標設定をする時に必要なのが「今現在の自分の現在地」です。

例えば、同じ「目的」でトレーニングを行っても行う人の「現在地」が異なる場合だと、「与えるべき刺激」が異なります。

どのぐらいの筋力があるのか

どのぐらいの可動域があるのか

どのぐらい自分の身体をコントロールできるのか

といったように、今のあなたの能力や状態、環境(現在地)によって、行うべきトレーニングの種類や負荷が変わってくるので目的・課題に対してどの位置にいるのかといった評価は大切になってきます。

ここが疎かになってしまうと、適切な種目や負荷設定でトレーニングができなくて効果が低くなったり、過負荷となってケガに繋がる可能性があるので、せっかくトレーニングを行っているのに時間のムダになってしまうかもしれません。

⑤パーソナリティや環境と⑥時期、目的までの時間

前回のブログでBPSモデルというものを説明しましたが、人それぞれ考え方や感情といったパーソナリティがあります。また、置かれている環境というのも人それぞれで、できることとできないことがあります。

さらに、目的までの時期や時間などによっても優先するものが変わってくるので、①-④を整理した中でどういった方法ならできるのか、やりやすいのかというのを話しあってトレーニングを考えることも大切です。

アスリートならば、競技練習とトレーニング、休養する時間なども踏まえてなにが適切かを考えることが大切かなと思います。

トレーニングで結果を残す為に

私はトレーニングというのは、

①トレーニングは頑張ればいいってもんじゃない(努力は直接結果にあらわれない)

②トレーニングはあくまで手段であり目的ではない

③目的や目標が変わればトレーニング内容も変わる

という考えです。トレーニングを結果に結びつけるにはしっかりとした計画を立てる・今の自分にあったものを選択する・質高く実施することが大切だと思っています。

その為には「目的地」と「現在地」がしっかり理解できていないと、今のあなたに必要な「手段」が選択できていない可能性があるので、なかなかトレーニングで自分の思ったような結果が出ていない場合は、以上の内容を考えたり、整理してみてはどうでしょうか?

実際に自分がどんなトレーニングをすれば良いかわからない人、自分のやっているトレーニングが適切なのか不安な人は専門家のトレーナーに相談をして、今の自分にとって適切なトレーニングを見極めてもらい、指導を受けることをおすすめします。その方が効果も上がり、時間もムダになりにくいです。

また、しっかりとしたトレーニングプログラムで行っていたとしても、トレーニングの質というのは、フォームを確認してもらったり、指導してもらったほうが、質の高いトレーニングができるので、自分でできる人も定期的に専門家に指導を受けることをおすすめします。

まとめ

本日は、トレーニングに対しての考え方を話していきました。

以前メジャーリーガーのダルビッシュ選手がTwitterで以下のようなことをつぶやいていました。

これはトレーニングにおいてもとても大切なことだと思います。どのようなトレーニングをしているかではなくて、何のためにそのトレーニングを行うかというのをしっかりとクライアントさんと話し合っておこなっていければなと思います。

【合同会社noma】

都内や埼玉、神奈川を中心にパーソナルトレーニングを行なっています。

「なりたい自分、ありたい自分へ。」をコンセプトに、

  • トップアスリートからスポーツ愛好家まで、スポーツにおけるハイパフォーマンスを追い求める人
  • 仕事や家事・趣味など、身体に対して日々安定したパフォーマンスを求める人

を対象として、アスレティックトレーナーがトレーニング・リハビリテーションを通し、その人の「なりたい自分」「ありたい自分」に向けて共に試行錯誤しながら成長する場を目指しています。

nomaでは筋力や可動域向上や身体の使い方の改善といったスポーツのパフォーマンス向上はもちろんのこと、身体の悩みや痛み・不調に対して、エクササイズを通して「根本的な原因」にアプローチし、身体機能や姿勢の改善をしながら目標に向けてアプローチさせて頂きます!(お身体でお困りの方は相談から承ります。)

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